Cloud App Security は [コンテンツ検索] 機能を利用して、ユーザのメールゲートウェイで実行されるメール保護サービスを補完する高度なスパムメール対策を提供し、グレーメール、詐欺メール、ビジネスメール詐欺 (BEC)、ランサムウェア、高度なフィッシング、およびその他の一般的な攻撃からメールサービスユーザを保護します。次のコンポーネントを使用してヒューリスティックポリシーを適用し、不要なコンテンツを検出したりメールメッセージをブロックまたは許可したりします。
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スパムメール対策エンジン
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スパムメールパターンファイル
スパムメール対策エンジンは、スパムメールのシグネチャとヒューリスティックルールを使用してメールメッセージをフィルタします。メールメッセージを検索し、ルールやパターンファイル内のパターンにどれくらい近似しているかに基づいてスパムメールスコアを割り当てます。その後、スコアをユーザ指定のスパムメール検出レベルと比較し、結果を Cloud App Security に送信します。スコアが検出レベルを超えている場合、 Cloud App Security はメールメッセージが属するカテゴリに基づいて処理を実行します。スパムメール対策エンジンがスパムメールスコアを割り当てる方法は変更できませんが、 Cloud App Security がスパムメールを判別する検出レベルは調整できます。
さらにスパムメール対策エンジンは、Trend Micro Email Behaviour Analysis (EBA) モジュールを利用してグレーメールメッセージや詐欺メールを検出します。
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グレーメール: 特定のユーザに大量に送信される、スパムメールメッセージの定義に当てはまらないメールメッセージです。ユーザによっては、スパムメールまたは安全なメールとみなす場合があります。
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詐欺メール: 架空の費用の前払いを要求するナイジェリア詐欺、宝くじ詐欺、およびビットコイン詐欺など、個人または団体から信用を得た上で金銭などをだまし取ろうとする試みです。
さらに Cloud App Security は、組織のユーザをBEC攻撃から保護するための追加レイヤとして、トレンドマイクロのWriting Style DNAを機能として提供します。詳細については、 Writing Style DNAについて を参照してください。
Writing Style DNAについて
Cloud App Security では、組織のユーザをBEC攻撃から保護するための追加レイヤとして、トレンドマイクロのWriting Style DNAの技術を利用した機能を提供します。
Cloud App Security では、ライティングスタイルの分析機能により、偽装される可能性がある人物が書いたメールメッセージの検索を行い、その作成者特有のライティングスタイルをメールシステムで識別するためのモデルの生成とトレーニングを行います。このライティングスタイルモデルは一連の特性または特徴で、個人のメールメッセージの文体を自動化された方法で一意に識別して探索します。偽装される可能性がある人物からの受信メールメッセージは、モデルと比較されて作成者の識別が行われます。
このリリースのライティングスタイル分析は、英語、日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語、およびブラジルポルトガル語で作成されたメールメッセージに適用されます。
作成者の識別には、 Cloud App Security で各高プロファイルユーザのライティングスタイルモデルをトレーニングし、分析することが必要になります。ユーザのライティングスタイルモデルは時間の経過とともに変化する可能性があるため、それらを常に更新して、メールのフィルタ処理を調整することが必要です。この機能をいったん有効にすると、 Cloud App Security は高プロファイルユーザのライティングスタイルのトレーニングを開始して、使用可能なパーソナルモデルを構築し、新たなメールメッセージの作成にあわせてそれを改善します。
高度なスパムメール対策を設定する
ライティングスタイル分析によるBEC検出を設定する
高度なスパムメール対策フィルタの処理条件
[Exchange Online] の高度なスパムメール対策フィルタの処理条件は次のとおりです。
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詐欺サイト、BEC、フィッシング、ランサムウェア、および不正なスパムメールのカテゴリに対する初期設定の処理は [隔離] 、グレーメールに対する処理は [放置] 、その他のスパムメールに対する処理は [迷惑メールフォルダに移動] です。
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Cloud App Security で [迷惑メールフォルダに移動] 処理が、高度なスパムメール対策またはその他の検索フィルタが選択されている場合でも、Cloud App Securityは他の検索フィルタでの検索を続けて実行できます。
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メールメッセージが複数のカテゴリで検出された場合、 Cloud App Security は各カテゴリに設定された処理を組み合わせ、優先度が最も高い処理を実行します。処理の優先度は高い順から、 [削除] 、 [隔離] 、 [迷惑メールフォルダに移動] 、 [件名にタグを挿入] 、 [放置] になります。
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メールメッセージの検索が開始された後にユーザによって迷惑メールフォルダに移動、または迷惑メールフォルダから受信トレイに戻された場合、 Cloud App Security は新しい手動検索の開始時にそのメッセージを検索して処理します。
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[迷惑メールフォルダに移動] 処理の実行後に Cloud App Security によって迷惑メールフォルダに移動されたメールメッセージは、 Cloud App Security によって再度検索および処理されることはありません。
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メールメッセージがExchange Onlineによって迷惑メールフォルダに移動された場合、 Cloud App Security は対応するスパムメールカテゴリに設定された処理の優先度が [迷惑メールフォルダに移動] より高い場合のみ、そのメールメッセージに対して処理を実行します。
[Gmail] の高度なスパムメール対策フィルタの処理条件は次のとおりです。
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BEC、フィッシング、ランサムウェア、および不正なスパムメールのカテゴリに対する初期設定の処理は [メールにラベル付け] 、その他のスパムメールに対する処理は [スパムメールに移動] です。
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Cloud App Security で [スパムメールに移動] 処理が、高度なスパムメール対策またはその他の検索フィルタが選択されている場合でも、Cloud App Securityは他の検索フィルタでの検索を続けて実行できます。
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メールメッセージが複数のスパムカテゴリで検出された場合、 Cloud App Security は各カテゴリに設定された処理を組み合わせ、優先度が最も高い処理を実行します。処理の優先度は高い順から、 [削除] 、 [メールにラベル付け] 、 [スパムメールに移動] 、 [放置] になります。
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メールメッセージがGmailによってスパムラベルに移動された場合、 Cloud App Security は対応するスパムメールカテゴリに設定された処理の優先度が [スパムメールに移動] より高い場合のみ、そのメールメッセージに対して処理を実行します。